The Rime of the Ancient Mariner (老水夫の歌) Part3 / Samuel Taylor Coleridge [読書]





The Rime of the Ancient Mariner (老水夫の歌) Part3 /

Samuel Taylor Coleridge




老水夫の歌 第3部



孤独と徊る月と行きながらも留まる星々への遠き憧れ。

どこへ行こうとも青き空は月と星々のものだ。

空は彼らの安息の場所、彼らの故郷、彼らの生まれた家である故に、

静かなる歓喜を持って王としての月と星々の帰還を待ち焦がれている。

徊る月は空に昇り、
とどまることはない。
彼女はやさしく歩み続ける
ひとつ、ふたつの星を伴い――

月光は蒸してうだる暑さの海をなだめた
まるで4月の和らかな霧のように。
けれど船の巨大な影が横たわる場所では
呪われた水が燃えている
変わらずに、怖ろしく赤く。

月光によって、老水夫は大凪の怪物にも神の創造物としての恩恵を見出す。

船体の影よりずっと離れたところに、
私は海蛇たちを見た。
彼らは輝く白い軌跡を辿ってゆく
ヘビたちが体を跳ね上げると、
美しい光を放った薄片がきらめき落ちた。

船体の影のなかに、
私は彼らの鮮やかな衣を見た。
青、光沢のある緑、そして天鵞絨の黒。
彼らがうねり、およいだすべての軌跡に
黄金の火が瞬いた。

彼らの美と彼らの喜びが水夫の心に賛美をもたらした。

生きとし生けるものに幸あれ!
その美を表す言葉がない。
私の心からは泉のように愛が湧き、
私は思わず賛美した。
確かに、情け深い聖人が哀れんでくださり
図ることなく彼らを賛美させたのだ。

呪いは砕けはじめた。

まさにそのとき、私は祈ることができた
そして私の首は自由になった。
あのアルバトロスは解け落ち、沈んだ。
まるで海に引き込まれるように。

眠りよ!優しきものよ、
北の極から南の極まで愛しまれるものよ!
聖母マリアに祝福を!
あなたは天の御国より安らかなる眠りを下賜くださり、
わが魂にもたらしてくださった。

聖母の恩寵により、老水夫は雨によって生気をとりもどす。

もう長い間空のままだった
甲板上の役立たずの桶に、
露が満ちていることを夢に見た。
目が覚めたとき、雨が、降っていた。

私の唇が濡れていた。私の喉は冷たく、
私の衣服は潤っていた。
そうだ、眠っている間に酒を飲む夢を見たのだ。
だから私の体はまだ酔っていたのだ。

動いてみた。けれど四肢が感じられなかった。
あまりに軽く――ほとんど
眠りながら死んだのかと、
魂が祝福されたのかと思うほど。

水夫は空に何かの音を聞き、異変を見て、それに非常に興奮する。

私は風がうなるのを聞いた。
風は近くはなかったけれど、
その音は帆を揺らした。
ひどく薄く干からびた帆を。

上空で生命が弾けた!
そして幾百もの光の旗が輝き、
急かすように乱れ飛んだ!
あちらこちらへ、現れは消え、
その影の間にも星が瞬いていた。

そして来たれり風は咆哮し、
セージの葉のように乱れた帆は息をついた。
雨が黒雲から降り、
月が雲の端に顕れた。

黒い叢雲に裂け目ができ、
月はその傍らにあった。
まるで水が高き懸崖から迸るように、
乱れ折れることなく雷光は
巾広く流れる大河のように。

船員達の体に息が吹き込まれ、船は動き出す。

うなる強風は船までは届かなかったが、
そのとき、船が動きはじめた!
雷光と月の下、
死者たちがうめき声をあげた。

皆がうめき、皆が動いた、全員が起き上がった。
無言のまま、目を座らせたまま
死者が起き上がるのを見るのは、
夢であったとしても奇怪だった。

操舵手が舵を取り、船は動いた。
風が吹いていたのではない。
水夫達はみな綱を取り仕事を始めた。
皆がかつてそうしていたように、
操り人形のように四肢を持ち上げ――
我らは不気味な船員だった。

私の兄弟の息子の肉体が、
膝を突き合わす距離で私の側に立った。
その肉体と私は一本の綱を引いたのに、
彼は私に何も語らなかった。

それは人の魂によってではなく、地底や中空の悪魔によってでもなく、

守護聖人の嘆願によって使わされた祝福されし天使の一群によって。

「私はあなたが恐ろしい、老水夫よ!」
落ち着いてくれ、若者よ!
呪いが再び訪れて
苦痛の内に去った魂によっておきたことではなく、
祝福されし天使の一群によるものだ。

夜が明けると――彼らは手を休め
帆柱の周りに集まった。
彼らの口からは妙なる音が発せられ
肉体を離れ立ち上っていった。

ひとつ、ひとつ、妙なる音は浮き上がり、
陽に向かって飛びゆき、
また、緩やかに戻り響いた。
交じり合い、次には分かたれて。

時折、雲雀の歌声が空から落ちてくるのを
私は聞いたような気がする。
時折、全ての小鳥達の
甘くさわがしい合奏で、
海と大気が満たされている気がしたと!

その音は全ての楽器のようであり、
一筋の笛の音のようであった。
その音は天国に静寂をもたらす
天使の歌声のようだった。

歌が止まった。けれど帆は張ったまま、
真昼まで心地よい音を孕んでいた。
まるで六月の青草に隠れた
小川のせせらぎの音。
それは夜の森を眠らせる
子守唄の旋律。

真昼まで我らは順調に航海した。
いまだ風は吹いていなかったが、
ゆっくりと穏やかに、船はいった、
広い海を前へと動かされて。

天使たちの意志に従い、船は赤道まで遠く運ばれたが、

南極からの孤独な妖霊はまだ復讐を望んでいた。

九尋の深みをぬけ、
霧と氷の彼の国から
この妖霊は追ってきた。この妖霊が
船を前へと進ませたのだ。
真昼に帆からあの旋律が離れると、
船は立ち留まってしまった。

太陽は帆柱の真上に昇り、
船を海に押さえつけた。
船が動こうとすると、
短く不安な動き――
半身の長さだけ戻ったり進んだりと
短く不安に動いた。

それから暴れる馬が放たれるように
船は突然跳ね上がった。
私の頭に血が上り、
私は気を失った。

目に見えぬ力の存在は南極の妖霊の眷族である怪魔の悪意に協調する。

すなわち南へ帰る南極の妖霊の求めに応じ、老水夫へさらに長く重い

苦行を課すことをお互いに同意する。

どれほどの間、私は倒れていたのか、
私に確かなことが言えない。
けれど意識が戻るより前に
私の魂のなかで
空より二つの声を聞いた。

 



 

MFグローバルが経営破たん、欧州ソブリン債への積極投資で痛手

[ニューヨーク 31日 ロイター] 米先物ブローカーのMFグローバル・ホールディングス<MF.N>は31日、ニューヨーク市マンハッタンの裁判所に連邦破産法11条の適用を申請した。

MFグローバルよりイタリアを懸念、ECB新総裁の手腕に注目



同社はゴールドマン・サックス<GS.N>の最高経営責任者(CEO)や上院議員、ニュージャージー州知事を歴任したジョン・コーザイン氏(64歳)
CEOを務めており、積極的なリスクテイクを通じて同社を「ミニゴールドマン」に変身させようとした同氏の野望は、欧州債務危機のあおりで打ち砕かれる形
となった。



コーザイン氏はリスクの高い自己勘定売買を推進。低金利と欧州ソブリン債への積極投資で痛手を受けた。



規制当局は以前からMFグローバルの存続能力に「重大な懸念」を抱いており、イタリアやポルトガル、スペインなどのソブリン債に対するエクスポージャーの公表を求められてから、わずか1週間足らずでのあっという間の破たん劇となった。



同社に対しては多くの企業が関心を示しており、

バークレイズ<BARC.L>、シティグループ<C.N>、ドイツ銀<DBKGn.DE>、ジェフェ
リーズ・グループ<JEF.N>、JPモルガン・チェース
<JPM.N>、マッコーリー・グループ<MQG.AX>、ステート・ストリート<STT.N>
、ウェルズ・ファーゴ<WFC.N>

などの名が買い手候補として挙がっていた。



しかし、関係筋によると、インタラクティブ・ブローカーズ・グループ<IBKR.O>への資産売却をめぐる協議が決裂した後、連邦破産法11条の申請に踏み切った。

同社のブラッドレイ・アベロウ最高執行責任者(COO)は裁判所に提出した文書の中で、「規制当局に定められた期限までの限られた時間で達成できる他の選択肢がなかった」と説明した。

<市場への影響>


MFグローバルの破たんは、2008年のリーマン・ブラザーズの破たん劇を連想させる。しかし、市場関係者は、市場にもたらす影響はリーマンに比べてはるかに小さく、限定的なものにとどまるとみている。

それでも、同社破たんにより、複雑なポジションの整理に伴う混乱は避けられないとの見方から、米国市場における金、原油、穀物などの取引は減少した。


CRGパートナーズのリストラアドバイザー、マイケル・エプスタイン氏は「MFグローバルはある意味で、リーマン・ブラザーズの小型版のようなものだ」と語っている。



MFグローバルに対する他の米金融機関が保有するエクスポージャーについても不安が広がっている。

関係筋によると、MFグローバル・ホールディングス<MF.N>に対する12億ドルのシンジケートローンのうち、JPモルガン・チェース<JPM.N>のエクスポージャーは1億ドル未満にとどまっている。

また、裁判所に提出された文書によると、ドイツ銀行<DBKGn.DE>は10億ドルの債券を持つ債券保有者から委託を受けている。同行はこれについてコメントを拒否した。

一方、ニューヨーク連銀は、MFグローバルのプライマリーディーラー資格を取り消した。

欧州の決済機関LCHクリアネットは、MFグローバルはデフォルト(債務不履行)に陥っているとの認識を示した。
 


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1969kana

本当に、世界レベルで経済状況が悪化しているのですね…。
いったいどうなってしまうのか、焦燥感を感じています。
by 1969kana (2011-11-02 01:07) 

揚羽蝶

やっと鹿児島から・島津家・別邸⇔仙厳園で抹茶を所望・・心の洗濯をして・・・
            黒酢本舗桷志田も・・薩摩無双も・毒素を抜いてくれました・
           
            4度も5度も・毎日黒煙を噴火する桜島・原発への怒りが灰を降らせ
            鹿児島・霧島連山の怒りが・・純朴な体に降り注ぐ・此れが日本か~          

≪生きとし生けるものに幸あれ!私の心からは泉のように愛が湧き、思わず賛美した。≫
とっても、素敵な天使さまが・導いて下さっても・舵取りも出来ぬ政府!

従順に、お仕事に励む乗り組員の気持ち・温かい人の血が・流れて居るのでしょうか?

≪眠りよ!優しきものよ、北の極から南の極まで愛しまれるものよ!聖母マリアに祝福を!

☆大切な日本国の(天使の、ご諫言を)何度耳にすれば理解出来るのでしょう?
≪天使たちの意志に従い、船は赤道まで遠く運ばれたが、
南極からの孤独な妖霊はまだ復讐を望んでいた。≫≪私の兄弟の息子の肉体が、
膝を突き合わす距離で私の側に立った。≫雲雀の歌声が空から落ちてくるのを・・

※優しい私達の天使はお聞きに成って戴いた様な気がする・時折、全ての燕雀達の
  甘くさわがしい・切実な不安いっぱいの合奏で、海と大空に響いてる様です・・・・

≪その音は天国に静寂をもたらす、素敵な天使の歌声のようだった。≫

≪六月の青草に隠れた小川のせせらぎの音・・・夜の森を眠らせる子守唄の旋律≫
************************
どれほどの間、私は倒れていたのか、
私に確かなことが言えない。
けれど意識が戻るより前に
************************
私の中の・・もう一つの魂のなかで・・
☆もう~私が切り開いたこの一筋の道・・海を縮め・地球を縮めたスエズの運河をも
汚染して・・・悲しみを結び・・・≪北の極から南の極まで≫
≪空より二つの声を聞いた≫・・・出来得る事なら・・・優しい天使に連れられて・・
水平線から昇る☆canopus~に乗って・西の空に沈みたい・幸せな星に永住したい。
by 揚羽蝶 (2011-11-03 09:27) 

あかね

kanaさん、(*^-^)ノこんにちわ

世界各国で金融破綻ドミノ崩しが始まってます。
ギリシャがまたくだらないことを始めたからです。

http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C9381959FE2E0E2E4E28DE2E0E3E3E0E2E3E39C9CEAE2E2E2

どこまでも強欲な人たち。また暴動が始まるでしょうね。

by あかね (2011-11-03 16:37) 

あかね

揚羽蝶さん、(*^-^)ノこんにちわ

これから金融破綻ドミノ崩しが始まりまっていますので、日本丸
も沈没するかもしれませんね。

既にご存じのように、船底には穴が開いたままの状態だったし、
何の修復もしていないわけですから。

少しばかり水位が上昇しただけで、簡単に沈没するのは分かって
いたことです。

by あかね (2011-11-03 16:42) 

まっちゃあずき

深い物語ですね。
アルバトロスが自分の首にかかることもあるし
人にかけてしまうこともある。
本当はアルバトロスなんていないのに。。
孤独な妖霊は自分自身かもしれませんね。

バブルだのなんだの 世間が好景気に沸いても
我が家は何の変わりもありませんでした。
その代わり、不況になると一番に堪えます。

この際、日本丸もどこかに買い上げてもらった方が
いいのかもしれません。
まともに動かせないんじゃ 船とは言えないですものね。 ハァ・・(ノω=;)
by まっちゃあずき (2011-11-03 16:57) 

揚羽蝶

『あかね さん』・・日本丸の船底の穴の修復もせづに・・・・お喋りばかり繰り返して・・・
           適格な舵取りも出来ずに~・・・口に抜け過ぎですよね~ったく!!

(あかね さん)から・・何度も、何度も、ご諫言戴いてたでしょ・・・

もう~時既に遅し・・・・沈没するかもしれませんよね~・・・

≪船底には穴が開いたままの状態≫なのに・老人ボケで・忘れてしまってたのでしょうか?

≪何の修復もしていないわけですから。≫・埒も無く・・他愛いも無い・お喋り談義ばっかり

≪少しばかり水位が上昇しただけで、簡単に沈没するのは分かっていたことです。≫

何度も、何度も・・事を分けての、ご諫言を戴いてたのに~・ったく!!ポン田君だから・・

『あかね さん』・・冷たくて・・まっ暗い・・厳寒の海の底に・・

子供達を・・温かい心の女性達を・・・道連れに・・・沈ます訳には行かないですよ~・・

今の政治家に昔の政治家の根性が有るのでしょうか~

他愛も無い政治家なら今すぐにでも、辞職願いたいものです。





by 揚羽蝶 (2011-11-03 20:14) 

あかね

まっちゃあずきさん、(*^-^)ノこんにちわ

色々な解釈の仕方があるので、おもしろいですよね。

バブル期は投資家たちが儲かってて、一般国民にはほとんど
恩恵は無かったと思います。
おっしゃる通り、不況はトップの出した汚物処理を国民レベルで
尻拭いさせられるので、国民生活にもろ支障がきます。


>この際、日本丸もどこかに買い上げてもらった方が
いいのかもしれません。
まともに動かせないんじゃ 船とは言えないですものね。 ハァ・・(ノω=;)


おっしゃる通りです。
日本丸もいっそ、すっきりさっぱりどこかの国に買い上げてもらった
ほうが、まともに動けるようになると思いますね。

by あかね (2011-11-05 11:38) 

あかね

揚羽蝶さん、(*^-^)ノこんにちわ

おっしゃる通りですが、議員が全部辞職したとしても、
残念ながらこの状況が変化することはないと思います。

政府に対策は無いそうですし、ギリシャ政府がまたアホ
な事態に陥ってますので、それに連動されるしかないで
しょう。

米国では来年の大統領選挙キャンペーンが既に始まって
いますが、米国民は政治とは無関係な候補者を選出して
いるそうです。

米国が変化すれば、必ずそれが日本にも影響を及ぼすと
思いますので、大統領選挙を見守っていきたいと思います。
揚羽蝶さんも、海外ニュースを視聴なさっててくださいね。

by あかね (2011-11-05 11:46) 

PATA

お伺いするのが遅れてすみません。
ニュースによると、イタリアも危ないらしいですが
世界金融の破綻は、のっぴきならない物になっているようですね。
by PATA (2011-11-08 22:35) 

あかね

PATAさん、こんばんは(^-^*)/

そうなんですよ、金融の破綻が止まらないんです。
次は投資信託が破綻していくそうです。
どんな対策も無効らしいですよ。

by あかね (2011-11-09 19:11) 

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